フロスト警部シリーズ第4作、鋭意翻訳中!
■フロスト警部シリーズ/R・D・ウィングフィールド・・・「クリスマスのフロスト」「フロスト日和」「夜のフロスト」

■フロスト警部シリーズ/R・D・ウィングフィールド/芹澤 恵(翻訳)/創元推理文庫
「フロストの基本造型は作者のウィングフィールドにあるのではないか」
というのも、こんな偏屈なキャラクターは、偏屈な作家からしか生まれないと感じて
しまうほどの見事な偏屈ぶりの、ご存知フロスト警部である。
仕事好きフロストである。フロストから仕事を取るとそこには何も残らない。一途ゆえ、
当然そこで人間関係に軋轢が生じる。そんなことは屁とも思わぬフロストであるが、その煽りを受けるヤツはいる。筆頭が署長のマレットであり、部下たちである。
フロストと彼らとのかみ合わない人間関係(この丁々発止がとにかく面白い)を引きずりながら物語りは進んでいく。
下品、皮肉、非常識に洞察、ペーソスを加えたフロストの造型が際立つ人気シリーズである。
とにかく厚い。各篇とも文庫で700頁を超える大作である。登場人物も多数。多発する事件・・・。
それらを練り上げていく熟練の手法がこれまたお見事。一気呵成に読める。
過去5年間で3作という寡作ぶりも、この圧倒的な緻密さと出来映えを前にしては
文句も言えない。これからこの本を読む読者は幸せ!です。
ただ難点がないでもない。
例えば「夜のフロスト」におけるラストのアクションシーンの描写がそうだ。
一言でいえばフロストがスーパーマンになってしまった・・・。あの不健康なフロストがなんと空中40メートルのクレーン上で活劇(?)を演じてしまうのである。
これはフロストイメージからすると多少首を傾げざるを得ないが、作者のフロストに対する愛情過多と考えるとほほえましくもある。
いずれにしろ、変な表現だが、登場人物が生き生きといやらしく、生活感満載で、破天荒で破綻がない。
極上のご馳走を腹いっぱいに堪能させてくれるシリーズであることに間違いはない。
この感想を書きとめて、早や5年以上・・・。
残る原作あと2篇、いつまで待たせるんですか、東京創元社さん?
 ̄ ̄ ̄\\\ ̄ ̄ ̄\\\ ̄ ̄ ̄\\\ ̄ ̄ ̄\\\ ̄ ̄ ̄\\\ ̄ ̄ ̄\\\(ライター/紀尾井町)
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