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2007年12月18日 (火)

読者を挑発し続けるミステリー 「ウォッチメーカー」

■読者を挑発し続けるミステリー/ジェフリー・ディーヴァー「ウォッチメーカー」(池田 真紀子訳/文藝春秋)

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■ジェフリー・ディーヴァー「ウォッチメーカー」 リンカーン・ライムとアメリア・サックスを主人公にしたシリーズ第7弾である。
 2段組500ページに及ぶ大作、しかも書かれているのは、ほぼ3日間の出来事に過ぎない。それを一気に読ませる・・・・が、すんなり一気という訳にはいかない。本が重い?のである。寝転んで読むと、腕が疲れるのである!? しかも、ディーヴァーならではのドンデン返しと、それに至る張り巡らされた伏線に気が抜けない。つくづく、この作家を読むには、体力と知力?が必要なのである。

 ある日、立て続けに2件の殺人事件が起きる。死に至る時間を長引かせる極めて残酷な手口、傍らにはアンティーク時計と、ウォッチメーカーの署名。
やがて犯人は10個の同一時計を購入したことが判明、これは10人の連続殺人を意味するのか・・・。犯人の真の狙いはどこに・・・。
 これに、9.11以降のアメリカの社会状況や、警察内部の腐敗を織り交ぜながら話は展開していく。
対して、脊髄損傷で四肢麻痺になったライムと、彼の手足となって走り回るアメリア刑事、そしてスタッフたちの執念の追求劇。まさに読者も彼らと一体となって追いかけ振り回され、やがて大団円を迎え、心地よい疲れと共に、読後のひと時が訪れる・・・という次第。

 実はこのシリーズ、頭の3作(「ボーンコレクター」、「コフィンダンサー」、「エンプティチェア」)は読んだが、あとの3作はなぜか手が伸びなかった。ドンデン返しがあざとい?やり過ぎ?見え見え?いや、理に適っていて、無理がなく、鮮やかなモンです。でも、考え抜かれた分だけ読み手にちょっと重いというか、緊張を強いるというか・・・。(勝手ハ承知ノ上デス!)
 多くの読み巧者に支持され、今年の「このミス」の海外部門1位のこの作品に文句をつけるつもりはないけれど、好みの問題だから仕方がない。同じディーヴァー作品でも、短編集「クリスマスプレゼント」に見られる、軽やかで、ウイットに富んだドンデンの方が好きかな・・・、と。未読の方は、1年遅れでどうですか。オススメです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2007.12.17  ライター/紀尾井町

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ジェフリー・ディーヴァー(Jeffery Deaver, 1950年5月6日 - )<Wikipediaより>
  アメリカ合衆国イリノイ州シカゴ出身の小説家。ミステリー・犯罪小説で知られている。
<作品>
・"Death of a Blue Movie Star"(1990年)
・『死の開幕』(越前敏弥訳,講談社[講談社文庫],2006年12月15日)
・ブラディ・リバー・ブルース (1993)
・死の教訓 (1993)
・眠れぬイヴのために (1994)
・静寂の叫び (1995)
・ボーン・コレクター (1997/1999邦訳):リンカーン・ライムシリーズ
・コフィン・ダンサー (1998/2000邦訳):リンカーン・ライムシリーズ
・悪魔の涙 (1999)
・エンプティ・チェア (2000/2001邦訳):リンカーン・ライムシリーズ
・監禁 (2000)
・青い虚空 (2001)
・ヘルズ・キッチン (2002)
・石の猿 (2002/2003邦訳):リンカーン・ライムシリーズ
・魔術師 (2003/2004邦訳):リンカーン・ライムシリーズ
・クリスマス・プレゼント (2003):短編集
・獣たちの庭園 (2004)
・12番目のカード (2005/2006邦訳):リンカーン・ライムシリーズ
・ウォッチメイカー (2006/2007邦訳):リンカーン・ライムシリーズ
<外部リンク> Official website  http://www.jefferydeaver.com/ 

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