『座右の名文』・・・漱石、鴎外、寅彦、茂吉らの、どの作品がどう好きか。面白人物評をまじえた高島流「名作ガイド」
■『座右の名文』~ぼくの好きな十人文章家・高島俊男/文春新書
<アマゾンの文章より:かおるさんの感想> 面白くてためになる, 2007/6/22 毎度のことながら、高島俊男さんの本は、面白くてためになる。今回は「初めての、しゃべってつくった本」ということで、少し読み勝手が悪い気もするが、あくまで高島流の文章ではある。 サブタイトルにあるように、高島さんの好きな10人の文章家について書かれてあるが、メインタイトルからイメージされる、名文を抜き出してそこに解説を加えた本ではない。 新井白石から斎藤茂吉まで10人、あまり興味のない人もいたが、本書を読み終えて、どの人についても興味がもてた。 人類はみな日本の目下であるといった本居宣長、自分をとりまく人々の期待に生涯をかけてすべて応えた森鴎外、天下の悪妻といわれた妻をもった夏目漱石、「好きなもの 苺 珈琲 花 美人 懐手して宇宙見物」とよんだ寺田寅彦などなど。 津田左右吉は以前から面白い文章を書く人だなと思っていたが、ますます好きになった。 どの人の書くものも現代の文体ではないので、読みづらいだろうとは思うが、機会があれば、どの人の文もじっくり読んでみたい。そんなことを思わせる本。
★注目は三島由紀夫が「小説とは何か」という文章で激賞している柳田国男の『遠野物語』第22番。ちょっとぞっとする話である。
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