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2008年5月 7日 (水)

中国の明日はどっちだ!? ポール・セロー「中国鉄道大旅行」

■ポール・セロー「中国鉄道大旅行」

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 ■ポール・セロー著中野 恵津子訳:文芸春秋 発行年月 : 1994.7

 今年の中国はとりわけかまびすしい。北京五輪、チベット問題、それに日本との間の毒入りギョーザにガス田開発問題・・・。
 加えて、「出る杭は打たれる」でもあるまいが、資源の使い過ぎ、食料の取り過ぎ、地球環境を汚染し過ぎと、世界の見る目はキビシ~イものがある。
 裏を返せばそれだけ中国の発展はすさまじく、世界に脅威を与えている証左かも知れない。だからひと昔前の中国に触れてみたいと思ったわけでもないのだが、手に取ったのがポール・セローの「中国鉄道大旅行」。

 1980年代の後半、ロンドンを起点にフランス、ドイツ、ポーランド、旧ソ連、モンゴル経由で中国に入り、1年をかけて中国全土を鉄道で旅したノンフィクションである。
 たかだか20年前のことではあるが、そこで描写される風景の、なんと暗であり、陰であり、貧であることか。(トコロガ人々ハ必ズシモソウデハナイ・・・) 

 著者は中国史に関する博識を身に纏いながらもひけらかさず、皮肉・毒舌・ユーモアをもって好奇心の赴くまま果敢に探訪、<中国(人)の本音>を引き出していく。
 こう書くとちょっと重そうな印象を持たれるかも知れないが、ドッコイそうではなくて、どんな状況のもとでもヒトはしぶとく明るくて、それがこの本をユニークで面白いものにしています。
 関口知宏の「中国鉄道大紀行」もよかったが、こちらの方が本家だぜィの1冊。 
 ぜひご一読をと言いたいところだが、何せ1990年代の文春刊行本。
在庫なしの際はお近くの図書館まで是非!

・・・・・・・・・・・・2008.5.7 ライター/紀尾井町

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★代表的な旅行作家とその作品
・ポール・セロー「鉄道大バザール
・ポール・セロー 『The Old Patagonian Express』
・沢木耕太郎 『深夜特急』
・宮脇俊三 『最長片道切符の旅』
・椎名誠 『インドでわしも考えた』
・前川健一 『アジアの路上で溜息ひとつ』
・野田隆 『テツはこう乗る』『ドイツ=鉄道旅物語』
・ジュール・ヴェルヌ 『八十日間世界一周』
・アラン・ムアヘッド『白ナイル』<篠田一士訳/筑摩書房>絶版?

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